うすいの気まぐれな日記

手話、聴覚障害、マイノリティなどなど

韓国語を学び始めてみて

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9月20日木曜日。

고기,오이,모자,,,,

これが読める人にとっては「何?それがどうしたの?」。

これが読めない人にとっては「何?意味わかんない〜」。

(肉、きゅうり、帽子)

 

今月から韓国語を始めました。ちょっと前に独学でチャレンジしたことはあったけど三日坊主に…。韓国語とハングルの違いも分かっていなく、ハングルで書かれている文字が謎解きの迷路のような文字に見えて、これは一生かかっても読めるわけがない!と別世界の暗号のように見えていました。

それに、韓国の映画といえば「シュリ」くらいしか観ていなく(この作品は、好きな映画の一つ)。韓国の文化にそこまで深く興味を持つ機会がなく…。

 

周りが韓国語を勉強してて、韓国語スピーチコンテストで優勝したり、韓国に短期留学したり、韓国の友人とカカオトークしたり。次第になんだか韓国語が気になってきて。でも、韓国語使う機会ないし、難しそう!

でも、読めたらどんなに気持ちがいいんだろう!

でも、難しいから覚えられない!

でも、「でも」の堂々巡り。

 

最後のトドメは、職場で韓国料理を教えてくれた韓国人の先生が「私、手話やってみたい!」と話していたこと。

うむむ!日本人ならまだしも韓国人の先生が「(日本の)手話を学びたい」と言っているのではないか!それならば、私も負けまい!ということで、韓国語を学び始めました。一人では絶対続かないので、友人の紹介で韓国人の先生に教えてもらっています。

 

先生からは「聞こえない人に教えるのは初めてだから、分からないことは何でも聞いて」と繰り返していました。もちろん、分からないままでは次のステップに行けないので質問せざるを得ないのですが、先生の日本語が堪能、流暢なので日本語、英語、そして手話も織り交ぜながら確認をして進めています。言語を学ぶ時、学習言語をダイレクトに学ぶ方法もあれば、自ら理解できる言語(母語とも呼ばれる)を介して学ぶ方法もあります。

 

今は初心者なので、謎解きの迷路みたいな文字を一つずつ、発音を確認した後に書き込むという方法でやっています。音と文字の組み合わせでやっと覚えられるくらい、頭がそんなに良くないので…(発音なんて要らない、文字さえ覚えればよし!という人がいたら学び方を教えてほしい)。

 

この発音の時間が、私にとっては懐かしい時間でもあります。先生が発する声は全く聞こえないので、口の形を見ながら自分で発声してみる、の繰り返し。単調にも見えるやり方は、子どもの頃に日本語の「ア、イ、ウ、エ、オ」を繰り返して練習した時と似ています。「サ」なら息がかかる、「ナ」なら鼻が響く、「ラ」なら舌を動かす…

 

先生から「声をもっと大きく出して」と言われた時、無意識に染み付いていたものって本当にあるんだなぁと実感。耳が全く聞こえないので、声の大きさ(ボリューム)の調節が難しく、「静かに!声が大きい!」と子どもの頃に怒られたことが何回かあります。そのせいか、最初からあまり大きな声を出さないで「普通に」声を出す音量が、思いの外、先生にとっては小さかったようです。子どもの頃の経験を話したところ、「ええ?知らなかった。でも韓国人ははっきり喋るから、気にしなくていいのよ」。

 

発音の練習を最後に終えたのは、中学時代(だったと思う)。あれから約20年の間に、「この文字は、こうやって発音する」と言われて練習するという機会はほとんどありませんでした。成人向けの口話練習ができる施設があるらしいのですが、必要性はほとんどありません。通じなかったら言い換えてみたり、筆談したらいいし、手話通訳を使うとか、スマホに打ち込むとか、いろいろな方法があります。

 

仕事で手話を使う環境にいるから日常生活の中で全く声を使わないのかというと、案外そうでもなく、聴者のスタッフに対しては適切な指示や意見交換ができるように声と手話を併用することもあります。

 

ただ、この約20年間、声を出して発音を使い分けて話すトレーニングをせず、常に実践してきたせいなのか、緩やかに機能低下しているのでは?と感じました。スポーツで言えば、走るためのトレーニングを行わず、常に試合で走りっぱなしの状態。基本中の基本って何事においても大事なはずなのに。今回のレッスンで、「あれれ?」と思うように発音ができないことがいくつかありました。韓国語は母音の種類が日本語より多く、聴者の友人でも「難しい」というのでそんなものかも。

 

発音のスキルはともかく、仮に発音の使い分けができても、おそらく韓国人とは筆談でのやり取りが中心になるかも。日本語と同じく、口話口話なりの限界があるので割り切りながら、ハングルが読めるようになるためのステップとして発音、発声と上手に付き合っていきます。

ということで、冒頭の文字くらいは何とか読める、書けるようになりました。

 

まだまだこれから。