うすいの気まぐれな日記

手話、聴覚障害、マイノリティなどなど

漫画の中の通訳者

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大雪に見舞われて、埋もれてしまいました。この前帰省した時、おもしろい漫画がありました。 

 バードというのは、鳥ではなくて、イザベラ・バードというイギリス人女性のこと。

ウィキペディアさん曰く、旅行家、写真家、探検家などいろいろな肩書きがあるという。実在していた人を題材にした漫画で、一晩で全巻(まだ続巻はあるみたい)読んでしまうくらい、惹きつけられました。

 

舞台は、明治時代。江戸時代から明治にかけて生活様式などが変わるのはもちろん、横浜から新潟を経て蝦夷(北海道)を目指す旅で、通訳の伊藤(イトー)と同行しながらいろいろな経験を書き留めていく、というストーリー。彼女の好奇心旺盛な部分にハラハラドキドキしながら一緒に旅を進める感じがして、楽しい。

 

そして、何よりも私が気になったのは通訳の伊藤。

彼も実在した人で、なんと!ウィキペディアさんも知っていました。

伊藤鶴吉 - Wikipedia

 

でも情報が少ないみたいで。

漫画では結構、かっこよく描かれています。明治時代の初めとはいえ、蝦夷までの道のりは未知で過酷だったにもかかわらず、旅を共にするということは想像を超えることもあったに違いない、そういう意味ではかなり興味深いです。

通訳だけに限らず、目の前にあるものの背景を知識として説明したり、外国人の存在を初めて見る国民に対して説明したりする場面も。

 

これって、手話通訳と似ていますね。

ろう者は外国人のように、日本の中ではマイノリティ(少数派)。世界的に見てもマイノリティ。

聴者にとって、私を見ると「むむ、どういう人なんだろう」と半ば(?)物珍しそうに見るので、「ああ、日本人ですよ」ではないけど、「私が通訳しますのでどうぞお話ししてください」と一言声をかけてから通訳を始める、ということもざら。

 

世間から見ると、通訳は「外国人」「聞こえない人」が使うものと思いがちだけれど、漫画の中での通訳を見ると、両者のためであって、もし通訳がなかったらお互いに「なんなんだ、この人」で終わっている。

通訳は、一方的ではなく、双方向のコミュニケーションをつなぐ潤滑油であることを多くの人たちが知れば知るほど、マイノリティももっと過ごしやすくなるかも。

それにしても、明治時代の通訳ってどんな感じだったのでしょう。この漫画を通して、想像してみるとますます興味深くなりますね。