猫と高校生の話
「本を守ろうとする猫の話」。
実用書ばかり読んでいると、時々小説を読みたくなる。でも、小説を読み始めたら時間がもったいない、そんな私に「本の愉しみ方とは何か」を気づかせてくれた一冊。
この本との出会いは偶然、書店を回っていたらデジャビュのような感じになってて。
表紙の色合いが、「冷静と情熱のあいだ」と似ていたせいかも。
祖父の死によって古本屋に残された高校生のもとに、 一匹の猫が現れて次々と難解な冒険の旅に出かける。
という、すごく短くまとめてしまったけれど、青春なところもあるし、本を読むこと自体の本質的なことについて、高校生なりに考えて言葉にしていること、猫が話しかける一言それぞれに重みがあって、楽しく読めました。
名著の引用もいくつかあり、読んだことのない漢字も出てきています。しかも、描写が具体的かつ象徴的で、その場面の心情、情景が目に浮かぶ感じ。
語彙力を鍛えるのに良い本です(最後はなんだかんだ言って実用書みたいな扱い?)。
猫