うすいの気まぐれな日記

手話、聴覚障害、マイノリティなどなど

「障害者を作っているのは私たち」

f:id:syuwakoushi:20181006220945j:plain

10月7日日曜日。木の葉が黄色に変わり、稲刈りが終わった田んぼ。道路の向こう側に山並みがくっきり見える。でも昨日から今日にかけて、秋に似つかない風が。台風のフェーン現象

 

ところで、最近読んだ本に「手話」が出てきました。

音もなく少女は (文春文庫)

音もなく少女は (文春文庫)

 

貧困家庭に生まれた耳の聞こえない娘イヴ。暴君のような父親の元での生活から彼女を救ったのは孤高の女フラン。だが運命は非常で…

(「音もなく少女は」あらすじから引用)

ストーリーは普遍的。でも、耳が聞こえない娘という要素が加わることで貧困、暴力、孤独をさらに際立たせる描き方になっていました。耳が聞こえなくて可哀想な娘、と同情する余地はなく、成長していくにつれて出会う人たちとの関わり方が淡々と描写されています。コーダではないけれどコーダのような人も登場します。

 

貧困、暴力、孤独をテーマにした物語に不慣れな人は相当なパンチを食らうかもしれません(私もそんなに慣れているわけではないので、気が重くなる場面もあり)。それでも興味のある方は是非。

 

そして、もう一冊。

聴覚障害だけに限定せず、視覚障害、知的障害、精神障害発達障害などの障害全般を取り巻く現状について、教育や福祉について経済学者の視点で書かれている本。

新版 障害者の経済学

新版 障害者の経済学

 

特別支援学校の役割、障害者雇用、特例子会社、就労支援施設の仕組みなどに触れています。障害を医学モデルではなく、社会モデルで捉える必要性はもちろん、制度上の矛盾点を理解した上で「働き方改革」を考えるヒントが詰まっている一冊。タイトルからなんとなく敬遠しそうな経済学とはいえ、「障害者を作っているのは私たち自身である」というメッセージが伝わってきます。

 

と、お知らせはここまで。

まだ読み終えていないけれど、こんな本もありました。

障害のある先生たち (「障害」と「教員」が交錯する場所で)

障害のある先生たち (「障害」と「教員」が交錯する場所で)

  • 作者: 羽田野真帆,照山絢子,松波めぐみ,中村雅也,宇内一文,有海順子,清水睦美
  • 出版社/メーカー: 生活書院
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

ろう教育と「ことば」の社会言語学ーー手話・英語・日本語リテラシー

ろう教育と「ことば」の社会言語学ーー手話・英語・日本語リテラシー

 

卒業論文の参考になるかも。