うすいの気まぐれな日記

手話、聴覚障害、マイノリティなどなど

君が僕の息子について教えてくれたこと、を観て

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5月6日日曜日。連休も最終日になりました。合間に仕事しながらネットで映画を見たり読書したり。今日は職場に置いてあったDVDを借りて鑑賞。

 

日本の自閉症の若者とイギリス人作家の出会いから物語が始まり、各国に住む自閉症の家族の絆が描かれているドキュメンタリー。NHKで放送されたみたいです。

 

www.nhk.or.jp

 

日本の若者は東田直樹さん。自分の心の内を綴ったエッセイ「自閉症の僕が跳びはねる理由」を2007年に発行。

そのエッセイが、自身も自閉症の息子を持つイギリス人作家デイヴィッド・ミッチェル氏の目にとまった。

日本に滞在していたこともあるミッチェル氏は、東田さんの本を読んで、まるで息子が自分に語りかけているように感じた。(DVD解説より)

 

 

自閉症の若者は、東田直樹さん。定期購読しているビッグイシューで度々紹介され、エッセイを発行していることは知っていましたが、恥ずかしながらなかなか読む機会がなく…DVDのパッケージを見て「あ!これは見なきゃ」。

 

今回の映像で最も衝撃を受けたのは、東田さんがパソコンと手作りの文字盤を使って意思を伝え、今はどういう気持ちでいるのか、どんな時にどう思っているのかを丁寧に考えながら、紐解きながら表現していたこと。

 

私の身近にも自閉症の方がいます。自分の考えていること、思っていることを表現することが苦手で、周りがイラついてしまうのも分かっていました。どうして分からないの?どうしてああいう行動を起こすの?…と。

 

表現というのは、自分が思っている以上に本当はいろいろな方法があってもいいはずなのだけれど、声で発する言葉、手話で発する言葉だけに頼ってしまっています。今回のDVDは、ちょっとした仕草も実は非言語的なコミュニケーションになるという、当たり前のことに気づかされます。

 

国内にも、聴覚障害者の中には他の障害と併せ持っている人たちがいます。耳が聞こえないからなのか、他の障害が起因しているのか、時々分かりにくいことがあります。自閉症と重複している、ろう者もいます。仕事上、重複している方々と関わることがあり、「今はどういう気持ちなのだろう」と考えさせられることが少なくないので今回のDVDは一つのツールとして、学びを深めるために必要なものでした。

 

日本語字幕もついています。ちょうど、ネットで検索していたらご本人が書いているブログがありました。

higashida999.blog77.fc2.com

 

学びを深めるということは、その人が見ている世界に一歩近づけること。

決して理解し合えることはできないけれど、近づくことで、少しでもその人が何を考え、どう感じているのかを、まずは知る。

大学時代、ある難聴者から「あなたに、私の気持ちが分かるわけがない!」と突き放されて以来、今もこのスタンスで学んでいます。それでもまだまだ分からないことが多いので、これからも書き続けていくつもり。