一筋縄ではいかない漢字の読み方
2月19日月曜日。平昌オリンピック・フィギュアスケートの結果に日本中が湧いた一方、将棋界では名人が負けを喫したというニュースが。
どちらも「羽生さん」が注目されました(今も!)。
テレビは連日盛り上がっているみたいですが、新聞にも大きく載ってて影響力のすごさを実感。
今日も仕事で会った人たちに「羽生さん、すごかったですね〜」「もうドキドキしちゃって生放送なんて見てられなかったわ」という会話をしてました。
でも、ちょっと待って。
羽生さんというのは、どっちの羽生さん?
将棋界の羽生さんは、「はぶ」さん。
スケート界の羽生さんは、「はにゅう」さん。
パソコン、スマホで入力するとき、おそらくみなさんは何となく呼び名で使い分けていると思います。仮に使い分けてなくても、二人の呼び名が違うことは当然、ご存知のはず。
でも、もし耳が聞こえなかったら?
テレビや新聞は「羽生」という漢字が出ています。フリガナが付いているのは、かなり少ないはず(今まであまり見かけたことない…)。それに、テレビなら、「はにゅうさんが〜」「はぶさんは〜」と誰かが発していればいるほど、耳から覚えられるので、自然と使い分けられる(中には、どうしても人の名前と顔が一致しなくてもどかしい人もいますが)。
耳が聞こえないので、どうしても漢字の読み方を間違えてしまうことがあります。
漢字がすっごく得意な人なら絶対間違えないかもしれないけど、大抵は間違えちゃいます。
実は、私、最近まで「はにゅう」さんを、「はぶ」さんだと思い込んでいました(あちゃ〜)。
羽生、という漢字の読み方が二つあることは知っていたのです。
でも、将棋界の「はぶ」さんの存在感が大きすぎたのでしょう、「羽生は、はぶ」だと。
思い込みって怖いですね。漢字の読み方を間違えちゃう原因は、だいたい「思い込み」。
こういう時は、もう話さないと分からないので、どんどん話をして「あれ?私は、はぶさんって呼んでるのに、(相手は)はにゅうさんと呼んでいる。むむ??」という流れで気づくしかありません。
ところが、手話での会話の場合、特に高齢者の方と話をすると「オリンピック/スケート/金メダル/若い男性」と、本人の特徴を視覚的に捉えた表し方になったり、羽生さんの身体的特徴を表したものになるため、音として「はにゅう」と発する必要性が減ります。
そのため、ふた通りの読み方があることを知らないまま話が進められていく、ということがあります(手話の場合、名前を呼び合うよりも、身体的特徴などを捉えたサインネームや指差しで名指しすることがあります)。
日本語は英語、中国語などと同じように音声言語の一つ。
知らない間に、耳から音(日本語など)が入って、覚えてきた名前は多いかもしれません。
もし、誰かが間違って読んでいたら「あ、○○さんですよ〜漢字って難しいですよね」とさりげなくフォローしてみてください。
ああ、金メダルを取ったのは、ええっと、「はにゅうさん」。羽生さん、本当におめでとうございます!!