うすいの気まぐれな日記

手話、聴覚障害、マイノリティなどなど

どうやって声を出していますか

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聞こえる人から時々、こういった質問があります。

「声、聞こえますか?」

 

声を出す。
普段、会話をしている人にとって声を出すことは当たり前の作業。

 

それが、耳が聞こえないとなると、自分の声が聞こえなくなってしまい、どうしようもない不安になるとか。

確かに私自身、耳が聞こえないので声を出して話すこと自体どうしても不思議に映るようです。

 

声を出す。
ろう者、難聴者の中で声を出すことは特別なことではなく、普通に行われる作業の一つに過ぎないけれど、自分の声が聞こえないことについて、もしかしたら聴者との違いはあるかもしれません。

 

聴力に個人差があるため、一概には言えないのですが、私の場合は自分で話をするときに、耳で確認することは物理的に全くできない状態(補聴器があっても、雑音と一緒に聞こえてしまう)。

 

自分の声が聞こえないのにどうして声を出すのか、出せるのか。
発音の明瞭度は、相手の聴力や話すときの環境(静かなところか、そうでないか)によるため、判断が難しいところ。


感覚的にいえば、私の発音はおそらく、相手が「慣れれば分かる」程度。

声を出す作業は、幼い時からの訓練で身についたものであり、いわゆる「口話教育」というもの。ろう者、難聴者の多くは声を発する方法を体感的に覚えていきます(ただ、社会人になった後に口話を必要とすることができなくなってしまったために声を出すことを自らやめてしまうケースもあり)。

 

発音の明瞭度はともかく、声を出して且つ発音を使い分けて話す、という作業は、聴者が思っている以上に難しい作業です。それを幼いときに訓練させられているため、難しいという認識はなく、自然に声で喋る、というのが当たり前になっていく感じです。

 

声帯が震えるのを体で感じ、声を出していることを確認。


そして、口の形(舌の動きも含める)を体で感じ、発音を使い分けていることを確認。


二つの作業を同時に行なっています。

それに加えて、声のボリュームを調整していますが、これもなかなか難しい作業です。聴者の反応を見て、調整することはしょっちゅうです。

 

聴者の皆さんは、どうやって声を出しているのでしょう。
ろう者、難聴者の皆さんは、どうやって発音を調整しているのでしょう。
とても興味のあるテーマです。