だから言葉はおもしろい
「手話はいろいろな表現があって難しいんですよね」
「地域によって手話が違うから覚えられないです」
「人によってクセがあるので読み取れません」
・・・
ネガティブなコメントばかり。手話ってそんなにネガティブな言語なの?
「日本語はいろいろな表現があって難しいんですよね」
「地域によって日本語が違うから覚えられないです」
「人によってクセがあるので聞き取れません」
・・・
なんか違和感ない?特に2番目のコメント。
地域によって日本語が違う?そんな言い方はあまり聞かないような。
「英語はいろいろな表現があって難しいんですよね」
「地域によって英語が違うから覚えられないです」
「人によってクセがあるので・・・」
やはり2番目のコメントが気になりますね。だいたい、英語を始めたばかりの人にとって「アメリカ全土に通じる英語を覚えなきゃ!」とまでは思っていないはず。
でも手話になると、なぜか欲張りになっていませんか。
日本語も英語も地域によって話されている言葉が違うけれど、あまり気にならない?
覚えなくても別に困ることはない、これは手話にも同じことが言えるんじゃないかな。
「手話もいろいろな表現があるのね」
「地域によって表し方が違うのね」
「人によってクセがあるけれど、おもしろいね」
そうおっしゃる学習者もいます。今まで手話を教えてきた中で「だから言葉はおもしろい!」と前向きに捉える人は多くないような気がします。
前向きな人の共通点として、
- いくつかの言語に触れていること(英語、韓国語など)
- 好奇心が強い(だから言葉はおもしろい!って思えている)
- 相手の話に耳を傾けられるほど感受性が豊か
あくまでも私個人の勝手な見方ですが、好奇心は特に大事。
手話はいろいろな表現があって困ると言われがちですが、英語だって「見る」の単語がlookとwatch、というのは中学生レベル(今は小学生!?)でも知っていること。日本語も「感じる」「感じ取る」といった似ている語彙があるし、手話も「話す」の中にいくつかの表し方があります。
あくまでも言語学習として「今日はこういう表現を学ぶ」と割り切っていけば、積み重ねがやがて実を結ぶことになり、言葉の魅力をさらに感じることができます。なので、肩肘張らずに楽しんでいけたらいいんじゃないかな。
今日もごきげんよう。
(フランスのとある街で見たニュース)