うすいの気まぐれな日記

手話、聴覚障害、マイノリティなどについて発信するブログです。

普通の会社、普通の学校

「普通の会社に入ればいいのに」

「フツーの会社に入ればいいのに」

 

事情があって現在仕事をしていないろう者に対して、他のろう者が言った言葉。

 

「普通の会社」というのは、あくまでも一般企業のことを指し、会社の規模に関わらず「聞こえる人が働いている会社」を指しています。「普通の学校」という言い方もあります。聾学校と比較し、聴者が通っている学校を「普通の学校」とフツーにろう者の間では使っています。

 

そもそも、「普通」とは何なのか。

なぜ、聞こえることがスタンダードになっているのか。

聾学校は「普通じゃない人」が通っている場所のことを指しているのか。

ほんとに全然意味わかんない!と思っていました。

 

以前、「普通って何?」と聞いたら目の前にいたろう者は答えられませんでした。

何気なく使っている言葉にもう少し敏感になろうよ。

 

「普通の会社」に入っていないろう者はレールから外れて、かわいそうな人に見えるのか。

私の職場は、事情があって働きたくても働けなかったり、働くことを諦めてしまったり人たちが通っているところ。自分のできることを見つけて小さな成功体験の積み重ねができるよう、共に走りながら時には教えたり、時にはちょっと離れて見守ったりしています。

 

そういう人たちに再会した同級生や先輩、後輩たちが「ちゃんとできるのなら、普通の会社に入ればいいのに。まだ入れてないの?」という言葉を投げかける。励ましのつもりかもしれないけれど、本人のペースがあること、本人なりに目の前のことを頑張っているところを見向きもせず、「普通の会社」ということだけに目を向けている。

 

確かに一般企業に入って、給与をもらってそれなりに生活ができていればいい。でも結果的に挫折してしまったり、運悪くいじめられてしまったりした人がいることも事実。

本人の努力不足も関係しているけれど、半分は本人だけの力では変えられないものがある。それが「環境」というもの。そういう要因を無視して、いかにも「普通の会社に入れた方が勝ち組」という目線で話すろう者がいることはとても残念。

 

言われた側がもっと言い返せられるように(喧嘩を買ってもいいけれど、冷静に、「私はこういう価値観を持っている」と説明できるようになったら嬉しい)、私自身ももっと究めていかないといけない。

久しぶりに、ちょっと悔しい思いをしました。