うすいの気まぐれな日記

手話、聴覚障害、マイノリティなどなど

スマホは文明の器

「クルーズ船が入港してきた」「タッパーにおかずを入れる」「バイオリンを弾く」・・・

カタカナ表記に対して、理解しづらい人がろう者の中にいます。

 

特に高齢のろう者は「え?今のは何?」と分からなくなります。文脈の流れで何となく、理解できるケースもあれば、そうでないケースも。
聴者の高齢者にもありがちですが、ろう者の場合、耳から入る情報が限られてしまっているのでカタカナを見ても一瞬、何のことか全く想像できなくなり、分かったふりをしてしまうことがあります。

 

手話通訳に関わっている人たちが、ろう者に「これは何?」と聞かれた後、賢明に説明する場面をよく見かけます。雑談の中でも賢明に説明、説明・・・。すぐに理解できればお互いにストレスを溜めなくても済むけれど、どうしても通じないとき、とっさにほかの方法に切り替えられるかどうか。

 

聴者にとって手話が通じるだけでも大きなことだから、どうしても言葉で説明することに終始しやすいかもしれません。聴者同士なら言葉で伝え合って、お互いのイメージをより近づける作業を行います。

 

しかし、ろう者の場合は言葉のやりとりで話を深めていくよりも、視覚的に情報を得ることに慣れきっているような気がします。

 

上記のカタカナが出てきたとき、相手が分からなければ速やかに他の方法に切り替えてスマホで写真を見せたり、メールの文をお互いに確認して説明したりと工夫することによって、「あ!見たことがある」という概念を確かめてから、次のステップに進んでいくことが大事になってきます。

 

ろう者にとって日本語を不得手とする気持ちは理解できます。私も時々、迷うので。

その上で、ろう者にとって分かりやすく伝わる、伝える方法について積み重ねていくとコミュニケーション力が高まります。

 

私も時々、通じなくてもどかしくなる時がありますが、コミュニケーション力を高めていきたいですね。